【ライブレポ】the HIATUS 初の日比谷野音公演へ

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日本のオルタナティヴ・ロックバンド the HIATUSが、2024年8月18日(日) に、日比谷野外大音楽堂ワンマンライブ『Sunset on the Rails』を開催。

同公演は、5年ぶりに開催された全国ツアー『Gobble Up the Groove Tour 2024 – The Jive Turkey Rhythmic Expedition –』(2024年5月〜7月)の追加公演であり、最終公演。

彼らにとって、日比谷野外大音楽堂でライブを行うのは、初。アルコール類を含む、飲食物の持ち込みが可能とされた。

15周年の年に、ファン歴15年のひとりとして、the HIATUS初の日比谷野外音楽堂公演に行くことができました。

本公演自体は、リセールを含め完敗。やっとチケットが取れたこの公演も、1週間前に子どもが人生初の40°超えの熱を出し、酸素濃度低下して、入院するしないとかもあり、一度は諦めた公演。

the HIATUSがライブするのも5年ぶりだけど、わたし自身も、the HIATUSはおろか、細美さんをライブで見るのはコロナ禍以降、初。

(調べてみたら、2020年のMONOEYESの武道館は配信で見たが、直接ライブに行ったのは、2019年のNANA-IRO以来。)

細かいライブの詳細レポは、他の方で書かれている方がいたので、ここでは、いくつか印象に残ったシーン・セトリを抜粋しながら、いちファンがこの公演をどんな見方をしたのかを残しておければと思います。

誰かの人生と重なったり、誰かの視点からみるバンドやライブってどんなふうに映るのかを、つらつらとキロク。

the HIATUS とは

ELLEGARDENのフロントマン・細美武士を中心に、2009年に結成。

THEE MICHELLE GUN ELEPHANTでベーシストを務めたウエノコウジ(B)、日本が世界に誇るインストロックバンドtoeのドラム柏倉隆史(Dr)、東京事変でも鍵盤奏者を務める伊澤一葉(Key)、彼がいるからthe HIATUSの音がロックになるmasasucks(G)らが参加するバンド。

まさに玄人集団。

公式サイト:
https://thehiatus.com/

第一部

そうこうしている間に、ステージ裏から聞こえた恒例の円陣の声。

あー、そうだよこれこれ。

こうやっていつもライブが始まり、その時から涙が出始めていたんだった。

Horse Riding

わたしにとっては、初めてのtheHIATUS単独公演だった、全国ツアー『Keeper Of The Flame Tour 2014』。

当日着て行ったTシャツが、たまたまこの時のもので、いつも一緒にライブに行ってくれてる相棒に、「10年経ったんだね。」って言われてびっくり。

そのツアーの、今はなき新木場STUDIO COAST公演で観たことを何度も思い出す曲。

You’ve been brighter than the sky inside us

いま僕らの中にある空よりも、きみはずっと明るく輝いている

真っ暗なライブハウスで、綺麗な空を想像しながら聞いたこの曲を、空の下で空を見つめながら見れたのも嬉しかった。

Firefly/Life in Technicolor

アルバムがリリースされたときも、とってもリズムが楽しくて、いつかみんなと踊りながらお酒を飲める日が来るんだろうかと、ライブで聴けることを楽しみにしていた曲。

リズミカルな音楽に揺られるお酒の入ったお客さん。そして、傾いてきた日に照らされる会場が、とっても心地よくて美しかった。

Something Ever After

歌い始める前に、映画フォレスト・ガンプの話を、細美さんがしてくれた。

なんでこの人は、こんなに不器用で、愛情深いんだろう。

何度も何度も、いろんな会場で、いろんな景色とともに観て、聴いてきた曲。

RADIO

新卒1年目に、仕事が辛かった時に、リリースされたアルバム『Our Secret Spot』に収録された1曲。

真っ暗な軽自動車の中でたくさん泣いて、限られた信用できる大人にSOSをした、あの日を思い出す曲になってしまっていた。

それを、夫がいい意味で思い出を塗り替えればいいと提案してくれて、結婚式で亡くなった父親とお色直しから入場する時に使った曲。

今では、亡くなった父親との思い出の曲になっていたから、細美さんの亡くなったお父さんの話をされた時には涙が止まらなかった。

こんなにも美しい曲なのに、個人的にな切ない曲になってしまっている曲を、こんなにもあったかい気持ちで聴ける日が来るんだって、少し驚いた。

Silver Birch

みんなが立ち上がり、手が上がる。

アンコールになると思っていたから、「こんな前半にやるの?!」と思いつつ、みんなが嬉しそうで、「やっぱり、みんな好きな曲だよね。」って思って嬉しかった。

1stアルバム『Trash We’d Love』の曲は、ライブでやってもらうたびに、いろんな景色やその日のライブのことを思い出す。

初めてthe HIATUSを観たNANO-MUGEN FES.2009で酸欠になって、周りのファンの人に助けられたことも、土砂降りの中みんなでぶつかり合ったロッキンも、靴紐ガッチリしめて最前に挑んだ武道館公演も。

細美さんが一番辛い時に苦しんでつくったアルバムは、長年のファンにとっては、ある意味一番ライブでやってくれると嬉しい曲が多くて、大切なアルバムになっているけどな。

When we were kids
僕らがまだ子供だった頃

Stars were always shining bright
星はいつも明るく輝いてた
 
We’re still around the corner
僕らはいまだにたどり着かない

We’re on the edge of nowhere
限界はまだ遠い

We’re aiming to uncover all the stars
僕らは全ての星を見つけてやろうと企んでいる

オリジナル聞いた後に、ぜひこちらも!

the HIATUSにとって初めてのホールツアーであり、ストリングスやホーンと共にスペシャルな大所帯で廻った『the Afterglow Tour 2012』。

東京・NHKホールで迎えたファイナルで、初代the HIATUS Key.堀江博久さんが脱退前最後となった公演の音源。

第二部

第一部が終わって、休憩が挟まれているうちに、みるみる変わっていくステージ。日比谷野音にとっても似合う緑を基調とした装飾でした。

ちなみにステージセットの転換スタッフには、BRAHMANのTOSHI-LOWさんが紛れ込んでいたそう。笑

Bonfire

まさしく、玄人のなす技がつまった曲。

もっと観たい!と思いつつ、息切れする柏倉さんの声に、the HIATUSの曲って、やっぱりハードなことやっているんだなと思わされる。

Clone

この曲も、アルバム『Our Secret Spot』がリリースされて、初めて聴いたときから、美しすぎて、ライブではどんなふうに映るんだろうと思って楽しみにしていた一曲。

さらに、YouTubeで配信された、Jive Turkey vol.1 Live at Blue Note Tokyo 2016 and Tour Documentary” Special Trailerのこの曲が美しすぎて、初めて行けてない公演のDVDを買うことになったきっかけの曲。笑


西門の昧爽

この曲は、東日本大震災の前に細美さんが書いた曲で、「別に、この曲が震災のことを歌っている訳じゃない」とご本人も言っているらしいこの曲。

がれきの海で 夢を見ていた
僕らが目覚めたその足下は
ひどく汚れた川が流れて
水面に映した 顔も見えずに

ただ少し笑って
ただ少し叫んで
ただ少し重ねて
ただ少し抱き合って

ただ少し焦がして
ただ少し許して
ただ少しやさしく夜が明ける

曲がつくられた背景を何も知らないいちファンとしても、あまりにもこの歌詞は、東日本大震災とリンクしすぎていて、個人的にもしばらく聴けなかった。

もう二度とライブでは聴けないんじゃないかと思った曲を、“そこにいるみんなの人生を讃美する歌”として聴き、みんなで歌う、そんな日が来るなんて、思わなかった。

ほんと人生って、生き続けてみなきゃ何が起こるかわからないなって思わされた体験でした。

Basket Case

まさかのGREEN DAYの曲!

パンクロックの曲を、the HIATUSが?!
ジャズ調でカバー?!

??なうちに終了。笑

GREEN DAYも、コロナ禍がはじまる直前でチケットが取れて、念願の初公演!と思っていた矢先に新型コロナウイルス感染症が広まり、公演中止に。

そんな彼らも、2025年2月に再来日が決定し、チケットも取れたので楽しみ!
(ライブレポートも、書ければ書こうと思います!)

Insomnia

柏倉さんのずっしりとしたドラムから始まる。

とてもダークな曲で、でも、かなりthe HIATUSらしいと思っている曲のひとつ。

Save me

曲の中で、繰り返されるこの言葉が、日常では隠し続けているSOSのようなもので、ライブでぐちゃぐちゃになりながら、叫んで、何度も身体の中から悪いものを引きずり出してもらっている気がします。

この日もそうだった。はやくまたロックバージョンのライブでみたいな。

紺碧の夜に

この曲も、みんなが嬉しそうに笑顔なって、ぐっちゃぐちゃにぶつかり合ったあの日を何度も思い出す曲。

みんな年取ったね。(本当にいい意味で。)

アンコール

Catch You Later

「また会おう」を『Catch You Later』と訳してしまうという細美さん。

アルバム『Our Secret Spot』は、表紙もそうだけど、本当に美しい曲が多い。


Ghost In The Rain

日比谷野音と、武道館は、特に門限が厳しいイメージがあったので、時間通り終了かなと思っていたら、日比谷野音の門限である20時をすぎても、どうしても細美さんがやりたかった曲。

大人にめっちゃ怒られるか、もう、野音公演はなくなってしまうのかなと、心配しつつも、時間を超えても、やりきりたいっていう姿勢は、細美武士らしくて、いい意味で変わってない彼に嬉しくなった。

おわりに

いつも通り、始まってから最後まで、ずっと号泣で泣きすぎた公演でした。

なんでだろう。

あの数時間で、声や音を聞くだけで、少し優しくなれたり、また頑張ろうって思えるんだろう。

この公演でも、トゲトゲ刺さっていた棘を、全部引き抜いてくれた。

そして、

虫の声とthe HIATUSってこんなに合うんだ。とか、ベビーカーがたくさんとまってたこと。とか、

やっぱりここが、わたしの一番の居場所だと、改めて思わされた公演でした。

(MCや演奏している姿からも、メンバーもこのバンドが大すきなのが伝わってきたのも嬉しかった!)

みんなで歌うthe HIATUSの曲も大すきで、細美さんにも何度も助けられたけど、そこにいるみんなにも何度も助けられてて、大すきで、一緒に歳を重ねられているのが嬉しい。

みんなが同じ方向を向いて、同じ音楽で笑ったり泣いたりして、時には手を取り合ったりして、少しお酒のにおいがする、あの空間がわたしは本当に大すきだ。

「子育て以外に生まれてきてよかったなって思ってたこと、そういえばあったわ。」

って思わせてもらいました。

15周年おめでとう。ありがとう。

「catch you later. またね。」

自分自身もまた細美さんに言えるように生きるから、細美さんもメンバーも長生きしてもらって、そう言える日をあと何回も迎えたいな。

今後の情報

スペースシャワーTVで放送決定!

ライブ中にも発表されていましたが、スペースシャワーTVで、本公演の放送決定しているそうです!

オフィシャルカメラマンが撮影した写真の購入が可能に!

Showcase Management所属のカメラマンであり、the HIATUSを長年撮り続けてきている三吉ツカサさんの写真が購入できます。

*Showcase Printsは、Showcase Managementが運営するライヴ写真のプリント販売サイトです。

参考リンク

セットリスト@Spotify

完全に趣味、個人的に余韻用として、本公演のセットリストをプレイリスト化しました!
よかったら聴いて下さい◎

本記事でご紹介したアルバム

記事中で、リンクを貼れなかったアルバムの一覧を作成しておきますので、ご購入検討の方は是非!






haruca

1993年生まれ。茨城県出身、神奈川県在住。モノ・暮らしを中心に執筆をしています。

30代前半、3歳女の子のママ。音楽が大すき。

【経歴】
成城石井→茨城県のアンテナショップ→地域おこし協力隊 特産品PR担当→東北のアンテナショップ運営→ウェブマガジン「greenz.jp」編集インターン→大手クラウドファンディングサービス カスタマーサクセス 450件を超えるプロジェクトをサポート。累積調達額約6億円。→2024年8月よりフリーランスに。

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