ハロウィンも終わり気温が下がってきて、もうすぐ年末の足音が聞こえてきましたね。
年末になると、家族や友人ファミリーと食卓を囲んだり、なにかと食事を楽しむシーンが増えるのではないでしょうか。
そんなときに、食卓を彩るテーブルウェアを買い足したいという人も多いはず。
そこで今回は、人気の高いデンマークで生まれた、約250年の歴史を誇る「ロイヤル コペンハーゲン(Royal Copenhagen)」の器をご紹介します。
シンプルさの中にも品があり、料理を引き立ててくれる存在感プレートは、そこにあるだけで、食卓の雰囲気をぐっと特別なものにしてくれます。
この機会に、ご家庭にひとつ買い足してみてはいかがでしょうか。
ロイヤル コペンハーゲンとは?
「ロイヤル コペンハーゲン(Royal Copenhagen)」は、デンマークの陶磁器メーカーで、正式名称は、「ロイヤル・コペンハーゲン陶磁器工房」(The Royal Copenhagen Manufactory)。
1775年に、当時の国王と王妃により、王室で使用するものと、親交のある各国の王室への贈り物を製作することを目的に、デンマーク王室の支援を受け、設立されました。
エレガントで芸術的な作品をつくり続け、世界中の王室や上流階級から絶大な信頼を集め、現在では、デンマークはもちろん北欧を代表するブランドに成長しました。
1779年には、王立の窯「王立コペンハーゲン磁器製作所」となり、以降100年余りを王室専用の窯として制作にあたります。
その後、工場の生産力が向上すると、大衆向け製品の製造・販売も開始し、庶民層にも浸透していき、工場がデンマークの観光地としても紹介されるなど、世界に誇る陶磁器メーカーとして地位を確立していきます。
そうして長くデンマーク王立の陶磁器工場として栄えていたのですが、フランス革命など、ヨーロッパ諸国をとりまく社会情勢の影響から、経営に陰りが見えはじめ、1868年に王室が「ロイヤル」の称号を残すことを条件に、工場を民間企業に譲渡し、民営化されました。
そして、約140年後の2012年に、フィンランドの企業フィスカースに買収され、現在に至ります。
同じものは一つとしてない伝統的なデザイン
創業当時から、中国など、東洋の青い染付の影響を強く受け、のちにデンマークらしい洗練されたデザインへと昇華させてきました。
日本でも人気の高い「コペンハーゲンブルー」と呼ばれる独特な青と、混じり気のない白い素地を特徴としています。
すべてのロイヤル コペンハーゲンのテーブルウェアの裏側には、ロイヤルコペンハーゲンのブランドマークと、アーティストのサイン、シェーブナンパーが刻まれており、同じものはありません。
ブランドマークは、王冠と3本の鮮かなブルーの波型ラインで構成されています。
3本の波線は、デンマークを囲む3つの主要な海峡である「大スンド海峡」「大ベルト海峡」「小ベルト海峡」を意味し、その上にデンマーク王室御用達としてロイヤルコペンハーゲンが創設されたことを象徴する王冠が輝きます。
また、これらのマークは、正統性・王室との関わり、そして伝統と誇りを守るクラフツマンシップを象徴し、デンマークの芸術的な陶磁器であることを表しています。
高度な手仕事がつながって完成する名作
ロイヤルコペンハーゲンの絵付けは、創業以来の伝統を守り抜き、現在でも陶磁器の焼成から絵付けまで、熟練した職人が、一つひとつすべて高度な手作業で行っています。
そして、原料となる陶土を採取することから始まり、成型・絵付け・焼成・釉薬、そして美しく箱詰めされるまでの過程を、30人もの手を経て、みなさんのもとへ届きます。
器の絵付けには、高い技術、すなわち、長く複雑な絵付け作業を一貫して支える高度な集中力が必要とされ、ロイヤル コペンハーゲンでは、絵付けの技術を覚えるために、4年もの歳月を費やします。
それぞれペインターは、自分だとわかるサインをもっていて、一つひとつの製品の底に描かれていますが、このようにして完成する繊細な装飾こそが、ペインターがその名を刻むことへの価値に繋がります。
素人のわたしには、一目見ただけでは、全ての絵付けは同じにも見えますが、熟練したペインター自身は、筆跡のように、どれが自分のもので、どれが他の職人の手によるものか、瞬時に見分けることができるそうです!
特別な日の食事に。食卓に華やかさが加わるスペシャルなプレート
ブルーフルーテッド プレイン
ロイヤルコペンハーゲンといえば、ブルーフルーテッドの模様を思い描く人が多いのではないでしょうか。
手作業で描かれた繊細で美しい「ブルーフルーテッド」の模様は、ロイヤル コペンハーゲンが開窯した1775年に最初のパターンとして制作され、以来、約250年が経過した今でもつくり続けられているロングセラー商品です。
それを意味するデコレーション番号『No.1』は、全てのブルーフルーテッドの製品の裏側に刻まれています。
ブランドを象徴するコペンハーゲンブルーと白色の配色や、手描きで施された繊細な絵付けが特徴の「ブルーフルーテッド プレイン」。
「フルーテッド」とは、縦じまのこと。縁の処理の違いにより、ブルーフルーテッドには3種類のバリエーションがあります。 何の飾りもついていないのが、このシリーズで、「プレイン」と呼ばれています。
デンマークでは、ブルーフルーテッド プレインは、文化的遺産の一部とみなされ、デンマークのすべての人々につながる何かだととらえられており、デンマークの家庭には、代々受け継がれてきたブルーフルーテッド プレインの陶磁器があるそうです。
朝には、おしゃれなパンに盛りつけて、クリスマスには、ケーキを少しずつ盛りつけるなど、年末のシーンにもおすすめ◎
ブルーフルーテッド メガ
2000年に生まれた比較的新しいデザインであり、今ではブランドの中でもNo.2の人気を誇るまでに成長したシリーズ「ブルーフルーテッド メガ」。
大きく描いた模様とアシンメトリーのデザインが特徴です。
誕生のきっかけは、デザインスクールの学生カレン・キエルガード・ラーセンが持ち込んだアイデアでした。
デンマークに生まれ、家族に代々引き継がれてきた「ブルーフルーテッド プレイン」に親しみ育った彼女は、そのモチーフの一部を大胆にデフォルメし、この現代的な左右非対称なモチーフの配置のデザインを着想。
誰もが知る伝統のブルーフルーテッドのシリーズのパターンの一部を拡大版させた「メガ」は、裏に入れられている王冠マークとペインターサインも通常より拡大されており、”遊び心”や”かわいいらしさ”を感じるアイテムです。
伝統ある唐草模様を尊重しつつ、柄を拡大するという感性もおもしろいですね。
こうした新しいデザインの提案は、伝統に新たな息吹を吹き込み、現代的なデザインでユーモアを感じられるシリーズとなっています。
このデザインは、テーブルウェアに余白を生み、ブルーのハンドペイントと白いレリーフが、盛り付けた料理を生かします。
普段の朝食やおやつから、クリスマスには、チキンなどを少しずつ盛りつけるのも素敵だなと思います!
ホワイトフルーテッド
白磁にレースの縁取りが可憐な「 ホワイトフルーテッド」。
ブルーフルーテッドの素地となっている二枚貝のような地模様をもとに、白さを生かした「ホワイトフルーテッド」シリーズ。
ロイヤル コペンハーゲンの開窯以来、製造が続けられており、永い歴史があるシリーズ。
地模様は、デンマーク語で“Musselmalet”と呼ばれ、二枚貝の表面のエンボス模様が名前の由来です。
このシンプルなレリーフは、ブルーフルーテッド プレイン、ブルーフルーテッド メガ そして、ブルー コペンハーゲンにも使われています。 そのため、他のシリーズとも相性の良いパターンです。
何にでも合う白の食器なのでヘビロテ間違いなし。
電子レンジ・食洗機に対応しているので、普段使いもしやすいです!
ブルーフルーテッド メガ マグ ペア
ブルーフルーテッドの魅力を受け継いだブルーフルーテッド メガのマグカップ。
ハンドルも持ちやすいので、自分用として寒くなる秋の夜長のお供としてコーヒーやホットティーを飲む時にも、ギフトにもおすすめです。
まとめ
ロイヤル コペンハーゲンは、憧れの存在であり、格式高いブランドの食器類は、手を出しにくくもありますが、日常を素敵に彩ってくれる名品でありつつ、汎用性の高いものも多くあります。
食材にほとんどない色なので、料理を引き立て、テーブルコーディネートも洗練されて見えます。
街を歩いていてもクリスマスの気配を感じるようになりましたが、年末には、久しぶりに家族や友人と過ごすという方も多いかと思いますが、来客が増え、おもてなしする機会がぐんと増える年末年始のシーズンにも、味方になってくれるはず。
約250年の時を超えて、受け継がれる青と白の器「ロイヤル コペンハーゲン」で、長きにわたって愛される名品の魅力を味わい、お家での時間をどうか豊かに華やかに、彩ってみてはいかがでしょうか。
photo by HANA-STUDIO